ツベルクリン反応検査、又はインターフェロンγ遊離検査の陽性未治療者の結核発症リスクの検討:システマティックレビューとメタアナリシス
Absolute risk of tuberculosis among untreated populations with a positive tuberculin skin test or interferon-gamma release assay result: systematic review and meta-analysis
Campbell JR1, Winters N, Menzies D

1Department of Epidemiology, Biostatistics, and Occupational Health, McGill University, Montreal, QC, Canada.
BMJ. 2020 Mar 10;368:m549. doi: 10.1136/bmj.m549.
ツベルクリン反応検査(以下、TST)又はインターフェロンγ遊離検査(以下、IGRA)において陽性判定の結核未治療者の年間結核発症率を明らかにすることを目的とした。方法は、Embase、Medline、Cochrane Controlled Register of Trialsの論文データベースの1990年1月1日から2019年5月17日までの研究論文のシステマティックレビュー及びメタアナリシスである。抽出された5,166件の論文の中で、10例以上、12カ月以上の後向き又は前向きコホート研究、無作為化研究である論文に絞り、適合した論文122件を対象とした。データは、変量効果一般化線形混合モデルを用いて統合した。発症リスクの評価は1,000人年あたりの結核発症率を使った。一般集団対象の研究は3件で、TST陽性(硬結10 mm以上)33,811例の結核発症率は0.3(95%CI 0.1 - 1.1)であった。これと比べると19のハイリスク集団の研究の陽性者116,197例の結核発症率は一般集団よりも高かった。結核患者との接触者の結核発症率は、IGRA陽性者は17.0(95%CI 12.9 - 22.4)、TST陽性(硬結5 mm以上)者は8.4(95%CI 5.6 - 12.6)であった。HIV陽性者のIGRA陽性者は、16.9(95%CI 10.5 - 27.3)、TST陽性(硬結5 mm以上)者は27.1(95%CI 15.0 - 49.0)であった。発症率は、移民、珪肺症患者又は透析患者、移植患者、囚人において高かった。すべての研究において陰性者に対し陽性者の発症率比は有意に1.0を上回っていた。
コメント
結核は、多くの感染者、患者、死亡者がいるまだまだ侮れない世界的感染症である。日本では既感染者が減ってきているが毎年1万人以上の患者が発生している。結核感染者の判定にTSTとともにIGRA検査が使われている。本研究は、両検査の陽性者における結核発症率について、最近の研究論文のシステマティックレビューに基づき、基礎疾患を有する陽性者の発症リスクが高く、その発症予防対策の徹底を図る必要があることを再確認したものである。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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