JAK 1/2阻害薬(バリシチニブ)リンパ球サブセット変動併合解析基準値範囲内関節リウマチ(RA)
2019.02.26
バリシチニブの投与を受けた関節リウマチ患者におけるリンパ球サブセットの特徴と変動:統合解析
Characterization and changes of lymphocyte subsets in baricitinib-treated patients with rheumatoid arthritis: an integrated analysis
Tanaka Y*,McInnes IB, Taylor PC, Byers NL, Chen L, de Bono S, Issa M, Macias WL, Rogai V, Rooney TP, Schlichting DE, Zuckerman SH, Emery P
*University of Occupational and Environmental Health Japan, Kitakyushu, Japan
ARTHRITIS & RHEUMATOLOGY Vol. 70, No. 12, December 2018, pp 1923-1932
バリシチニブは、関節リウマチ(RA)治療での効果が示されている経口JAK 1/2阻害薬である。バリシチニブ投与下でのリンパ球サブセットの変動を分析し、これらの変動とDAS28-hsCRPなどの臨床アウトカムとの相関を明らかにするため、活動性RA患者を対象にバリシチニブとプラセボを比較した。第3相試験3試験と長期延長試験1試験の併合解析(患者数2,186例)を実施した。バリシチニブの投与に伴い、総リンパ球数は早くも4週目に一時的に上昇したが、12週目までにベースライン値に回復した。T細胞およびサブセットには104週目まで一時的な変動がみられたが、変動は基準値の範囲内であった。B細胞および関連のサブポピュレーションには4週目から24-32週目にかけて増加が認められたが、その後は104週間の投与期間を通してさらなる増加はみられなかった。ナチュラルキラー(NK)細胞は4週目に一時的に増加したが、その後ベースライン値に戻り安定した状態を保った。RA患者を対象とした第3相試験で認められたリンパ球サブセットの変動は基準値の範囲内であり、これらの変動と臨床的エンドポイントとの相関はほとんど認められず、重篤な感染症も報告されなかった。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
PudMed:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30058112