難病Update

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TNF-α阻害薬(ゴリムマブ)メトトレキサート(MTX)併用乾癬性関節炎(PsA)二重盲検無作為化プラセボ対照試験疾患活動性スコア(DAS)による寛解達成率

2019.03.26

TNF阻害薬の早期開始による乾癬性関節炎の寛解の達成:ゴリムマブ+メトトレキサートとプラセボ+メトトレキサートを比較した二重盲検無作為化プラセボ対照試験

Achieving remission in psoriatic arthritis by early initiation of TNF inhibition: a double-blind, randomised, placebo-controlled trial of golimumab plus methotrexate versus placebo plus methotrexate

van Mens LJJ*,de Jong HM, Fluri I, Nurmohamed MT, van de Sande MGH, Kok M, van Kuijk AWR, Baeten D *Clinical Immunology and Rheumatology, Amsterdam UMC, AMC/University of Amsterdam, Amsterdam, The Netherlands Ann Rheum Dis. 2019 Feb 26. pii: annrheumdis-2018-214746. doi: 10.1136/annrheumdis-2018-214746. 乾癬性関節炎(PsA)患者に対し有効な標的治療を早期に開始した場合の効果を明らかにするため、メトトレキサート(MTX)および生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)の投与歴がなくCASPAR基準に合致した活動性PsA患者を試験に組み入れ、TNF阻害薬ゴリムマブ(50 mg/月を皮下投与)+MTX(26例)またはプラセボ+MTX(24例)の投与に無作為に割り付けた。主要有効性評価項目であった22週時点での疾患活動性スコア(DAS)による寛解(1.6未満)達成率は、ゴリムマブ+MTX併用群では81%、MTX単独群では42%であった(P=0.004)。DASによる寛解率の差は、8週時点で既に観察されていた(73%対42%、P=0.025)。副次的評価項目であった最小疾患活動性(MDA)は、22週時点では81%対29%(P<0.001)、8週時点では58%対21%(P=0.008)であり、DAS CRPスコア、VASによる患者全般評価、腫脹関節数、圧痛関節数といったその他の副次的評価項目についてもゴリムマブ+MTX併用群に有意な改善がみられた。患者の多くに1件以上の有害事象が発現したが、いずれも軽度または中等度であり、両群の有害事象発現率は同程度であった。本試験によって、活動性PsA患者に対するTNF阻害薬の早期開始は迅速かつ持続的な寛解に役立つことが裏付けられた。 コメント PsAに対するTNFα阻害剤の有効性はすでに報告済みである。インフリキシマブがそれである。このたびのゴリムマブは同様の結果で選択肢が増えた。しかしそれ以外のIL-17A抗体等も有効であるので、今後比較検討を要する。 監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生 PudMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30808625

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