SSZスルファサラジン(SSZ)単独療法プレドニゾロン併用療法(COBRA)メトトレキサート(MTX)死亡率追跡調査関節リウマチ(RA)
2019.05.26
COBRA試験の早期関節リウマチコホートにおける23年間の追跡調査後の平均的な死亡率
Normal mortality of the COBRA early rheumatoid arthritis trial cohort after 23 years of follow-up
Poppelaars PB*,van Tuyl LHD, Boers M
*Amsterdam Rheumatology and immunology Centre, Amsterdam University Medical Centers, Vrije Universiteit, Amsterdam, The Netherlands.
Ann Rheum Dis. 2019 Feb 26. pii: annrheumdis-2018-214618. doi: 10.1136/annrheumdis-2018-214618
関節リウマチ(RA)患者の死亡率は一般集団に比べて高い。1993 - 1995年に実施されたCOBRA試験では、早期関節リウマチ(RA)患者を対象に、スルファサラジン(SSZ)単独療法(SSZ群、79例)と、SSZ、低用量メトトレキサート(MTX)およびプレドニゾロン(高用量から開始し、後に漸減)の併用療法(COBRA群、76例)が比較された。今回報告された2017年までの23年間の追跡調査によると、SSZ群では24例(30%、標準化死亡比[SMR]0.85[95%CI、0.56 - 1.25])、COBRA群では20例(27%、SMR 0.75[0.47 - 1.14])が死亡し、両群の死亡率に有意差はみられなかった(P=0.61)。また、COBRA試験全体の死亡例は44例(28%、SMR 0.80[0.59 - 1.06])であり、死亡率は年齢、性別、追跡調査期間で一致させた一般集団(36%)と同等であった。28週の時点での損傷の進行、HAQ高スコア、罹患期間(愁訴開始後と定義)が短いこと、HLA-DR 2またはHLA-DR 3が検出されないことの5つの因子には、死亡率増加の危険との有意な関連が認められた。この試験によってRAに対する早期の集中的治療の利益が確認され、特に予後不良の患者に対する標的治療の重要性が示唆された。
コメント
MTX治療の有効性は示されているが予定生存についての長期臨床観察のデータは少なかった。今回MTXを含むCOBRA治療研究で、早期治療によって生存について有用であることが示された。今後バイオ製剤による長期生存の研究との比較も必要と思われる。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
PudMed:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30808623