関節リウマチ
2020.02.18
隔週のトシリズマブ皮下注の効果が不十分であった関節リウマチ患者における毎週のトシリズマブ皮下注単独療法の長期安全性および有効性:SHINOBI試験の非盲検延長期の結果
Long-term safety and efficacy of weekly subcutaneous tocilizumab monotherapy in patients with rheumatoid arthritis who had an inadequate response to subcutaneous tocilizumab every other week: Results from the open-label extension of the SHINOBI study
Ogata A1, Tanaka Y, Ishii T, Kaneko M, Miwa H, Ohsawa S, Yamakawa R; SHINOBI Study Group.
1Department of Respiratory Medicine, Allergy and Rheumatic Diseases, Osaka University Graduate School of Medicine , Osaka , Japan.
Mod Rheumatol. 2019 Sep;29(5):767-774. doi: 10.1080/14397595.2018.1533514. Epub 2018 Dec 14.
隔週(q2w)のトシリズマブ皮下注(TCZ-SC)単独療法の効果が不十分であった関節リウマチ患者を対象としたSHINOBI試験において、12週間の二重盲検期に続く40週間の非盲検期での毎週(qw)のTCZ-SC単独療法の長期的な安全性および有効性を評価した。12週間の隔週または毎週のTCZ-SC単独療法を完了した患者に、40週間にわたり毎週のTCZ-SC単独療法を行った。52週の時点での有害事象の発生率は100人年あたり464.4件、感染症の発生率は100人年あたり121.3件であった。毎週のTCZ-SC単独療法の安全性プロファイルは過去の試験と一致しており、新たな安全性の懸念は観察されなかった。有効性の評価項目であるDAS28-ESRの変化量については、12週の時点ではqw群にq2w群より大幅な改善が認められたが、52週の時点でのベースラインからの平均変化量は同等であった。12週の時点で実施したDAS28-ESRに関するサブグループ解析では、毎週のTCZ-SCの有効性は体重やBMIの影響を受けないことが示された。長期の毎週のTCZ-SC単独療法の忍容性は良好であり、有効性は52週にわたり維持された。
コメント
トシリズマブ皮下注(TCZ-SC)はトシリズマブ点滴静注(TCZ-IV)と同等の効果があるが、隔週において効果不十分例がある。このため隔週を毎週にすることによって効果と安全性が検討された。その結果、有効性を獲得することができたと同時に安全性においても隔週と変わりなかった。このことから、TCZ-SC隔週を毎週にしても問題ないことが示され、よりTCZ-SC使用の価値が高められた。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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