Izumi Kurata1, Isao Matsumoto, Ayako Ohyama, Atsumu Osada, Hiroshi Ebe, Hoshimi Kawaguchi, Shunta Kaneko, Yuya Kondo, Hiroto Tsuboi, Azusa Tomioka, Hiroyuki Kaji, Takayuki Sumida
1Division of Rheumatology, Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
1Division of Rheumatology, Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
Ann Rheum Dis. 2019 Nov;78(11):1488-1496. doi: 10.1136/annrheumdis-2019-215195. Epub 2019 Jul 12.
関節リウマチ(RA)では血中の濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞が増加することが報告されている。マウスモデルを用い、RAにおける自己抗体の低シアル化に対するTfh細胞の影響を調査した。関節炎の発症時にはTfh、特にインターロイキン17を産生するTfh細胞(Tfh17細胞)が増加し、自己抗体の産生が亢進されることが判明した。発症時の自己抗体は回復期の自己抗体と比較して炎症性が強く、質量分析では両者のシアル化の違いが明らかとなった。In vitroの共生培養では、Tfh及びTfh17細胞で高発現しているOX40を介し、Tfh細胞による自己抗体の低シアル化が増強されることが示された。OX40を遮断することによってTfh17細胞が減少し、自己抗体のシアル化が回復し、関節炎の発現が防御された。RA患者の解析では、OX40を過剰発現するTfh17細胞が血中に多量に存在することと、Tfh17細胞の割合とシアル化に係る酵素α2,6-シアル酸転移酵素の発現には負の相関があることが示された。Tfh細胞上に発現するOX40は、自己抗体のシアル化を制御し、自己免疫性関節炎の発現に決定的な役割を果たす可能性がある。
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監訳:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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