Debbie M Boeters1, GLeonie E Burgers, René Em Toes, Annette van der Helm-van Mil
1Department of Rheumatology, Leiden University Medical Center, Leiden, The Netherlands D.M.Boeters@lumc.nl.
Ann Rheum Dis. 2019 Nov;78(11):1497-1504. doi:10.1136/annrheumdis-2018-214868. Epub 2019 Aug 14.
1Department of Rheumatology, Leiden University Medical Center, Leiden, The Netherlands D.M.Boeters@lumc.nl.
Ann Rheum Dis. 2019 Nov;78(11):1497-1504. doi:10.1136/annrheumdis-2018-214868. Epub 2019 Aug 14.
疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の中止後に滑膜炎が認められないDMARDフリーの状態は治癒に近く、自己抗体陽性の関節リウマチ(RA)にはまれにしか観察されない。こうしたアウトカムの背景には、抗環状シトルリン化タンパク抗体(ACPA)やリウマトイド因子(RF)の消失と定義される免疫学的寛解があることが示唆されている。長期にわたりDMARDフリー寛解を達成しているRA患者における自己抗体の有無を明らかにするため、長期観察研究を実施した。DMARDフリーを達成し、追跡期間中この状態を維持したACPA陽性および/またはRF陽性のRA患者95例、DMARDフリーを達成したものの再発した自己抗体陽性患者21例、及びDMARDから離脱できなかった自己抗体陽性患者45例から、診断時、DMARDフリー寛解達成前後の検体587件を採取し、抗環状シトルリン化ペプチド2(抗CCP2)IgGおよびIgM、RF IgMを測定した。DMARDフリー寛解維持群で、寛解時に抗CCP2 IgG抗体が陰性化した患者は13%であった。陰性化の割合は、再発群では8%、疾患持続群では6%であった(p=0.63)。抗CCP2 IgMとRF IgMについても同様の結果が得られた。連続的な抗体価測定の結果、寛解を達成した患者のRFは達成できなかった患者より低かったが(p<0.001)、抗CCP2抗体に差は認められなかった(p=0.66)。自己抗体陽性のRAでは、持続的なDMARDフリーの状態は自己抗体の陰性化とは相関しない。したがって、こうした免疫学的寛解の定義をRAの長期の治療目標とすべきでない。
監訳:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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