難病Update

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2020.07.09

関節リウマチでは、疾患活動性を反映する単球のDNAメチロームの変化は炎症性サイトカインにより決定される

Inflammatory Cytokines Shape a Changing DNA Methylome in Monocytes Mirroring Disease Activity in Rheumatoid Arthritis

Javier Rodríguez-Ubreva1, Carlos de la Calle-Fabregat, Tianlu Li, Laura Ciudad, Maria L Ballestar, Francesc Català-Moll, Octavio Morante-Palacios, Antonio Garcia-Gomez, Raquel Celis, Frances Humby, Alessandra Nerviani, Javier Martin, Costantino Pitzalis, Juan D Cañete, Esteban Ballestar

1Chromatin and Disease Group, Cancer Epigenetics and Biology Programme (PEBC), Bellvitge Biomedical Research Institute (IDIBELL), Barcelona, Spain.

Ann Rheum Dis. 2019 Nov;78(11):1505-1516. doi: 10.1136/annrheumdis-2019-215355. Epub 2019 Aug 1.

 関節リウマチ(RA)は、主に関節を冒す慢性全身性自己免疫疾患である。RAでは、単球およびマクロファージが発病に重要な役割を果たし、炎症性病変を惹起する。可塑性の高いこれらの細胞は細胞外のシグナルに反応し、エピジェネティックな変化を引き起こす。本試験では、細胞外シグナルがRA患者の単球のDNAメチル化に変化をもたらす機序を調査した。DNAメチル化の変化の根底にある機序および、これらの変化と疾患活動性などの臨床的パラメータとの関係を明らかにするため、RA患者および健常な対照のハイスループットDNAメチル化解析を実施し、in vitroにて単球をサイトカインで刺激した。RA患者の末梢血の単球には、健常な対照と比較してDNAメチロームの有意な変化と多くのばらつきが認められた。単球のメチロームの変化はDAS28と相関しており、疾患活動性の高い患者には健常な対照との差がみられた一方で、寛解患者と健常な対照のメチロームは一致していた。疾患活動性の異なる時点での同一の個人のプロファイルの比較でも、単球のメチル化の変化が裏付けられた。本試験では、疾患活動性に関与するサイトカイン(腫瘍壊死因子α、インターフェロンなど)の増加がどのようにDNAメチル化の変化をもたらすかを示した。また、DNAメチル化に基づくRAなどの免疫介在性慢性炎症性疾患の疾患活動性の予測式も提示した。
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監訳:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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