難病Update

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motor and non-motor functionParkinson’s diseaserandomised controlled trialsRepetitive transcranial magnetic stimulation

2022.08.25

パーキンソン病に対する反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の有効性評価:無作為化比較試験による研究のシステマティックレビューとメタアナリシスから

Efficacy of repetitive transcranial magnetic stimulation in Parkinson’s disease: A systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials

Wenjie Zhang*, Bin Deng*, Fen Xie*, Hang Zhou*, Ji-Feng Guo, Hong Jiang, Amy Sim, Beisha Tang, and Qing Wang *

*Department of Neurology, Zhujiang Hospital of Southern Medical University, Guangzhou, Guangdong 510282, PR China.

 

EClinicalMedicine. 2022 Jul 29;52:101589. doi: 10.1016/j.eclinm.2022.101589. eCollection 2022 Oct.

 

反復経頭蓋磁気刺激療法(Repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)は、運動機能改善やうつ病の治療に有効であることが確認されている。しかし、rTMSが、パーキンソン病(PD)に対して有効であるのかについて、まだ無作為化比較試験(RCT)による評価研究は少なく、正式な治療方法として認められていない。rTMSがPDの運動症状および非運動症状の改善につながるのかシステマティックレビューにより検証した。対象研究は、1988年1月1日から2022年1月1日の間にPubMed、MEDLINE、Web of Scienceのデータベースにあるものの中からrTMSの有効性を焦点とした研究を2名の研究者により別々に抽出した。主要転帰は、運動機能とうつ症状とした。本研究の適格基準に合致した研究は14件、469例であった。運動機能改善に関する適格基準に該当したものが12件、381例であった。それらの患者を統合して分析した結果、運動尺度スコアの効果量は0.51(P<0.0001)、効果は均一的(I2=29%)であった。抗うつ効果については、適格基準に該当したものが5件、202例であった。うつ尺度スコアの効果量は0.42(P=0.004)であり、均一的な結果(I2=25%)であった。rTMSは大脳の一次運動皮質(M1)に対する刺激により運動症状が改善し、またrTMSは大脳の背外側前頭前皮質(DLPFC)に対する刺激でうつ症状の緩和に有効であることが示された。また、大脳の背外側前頭前皮質領域の刺激がPDのうつ症状を改善させる可能性があることが示された。

 

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35923424/

コメント

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)は非侵襲的な脳刺激の一種である。rTMSは、わが国でも薬物療法が奏効しないうつ病への治療選択肢として最大6週間まで保険診療として実施されている。しかし、パーキンソン病(PD)の症状の改善に有効であるのかについて、無作為化比較試験(RCT)を使用した評価研究はまだ少ない。そこで、RCTを使った研究論文のシステマティックレビューによりPDの運動症状および非運動症状に対する有効性を検証したのが本論文である。その結果、rTMSは、PD患者の運動症状やうつ症状の補助療法として有効であることが示された。しかし、PD患者に対し、大脳の領域のピンポイントの刺激部位と頻度を明らかとした適切なパラメーターを明らかにすることについては今後さらに検討が必要である。

監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生

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