難病Update

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covid-19FatigueLong Covidmeta-analysis

2022.12.23

新型コロナウイルス感染症における感染者の入院の有無別後遺症状の有病状況と長期的な健康影響の検討:システマティックレビューとメタアナリシスによる

The prevalence and long-term health effects of Long Covid among hospitalised and non-hospitalised populations: A systematic review and meta-analysis

Lauren L O'Mahoney*, Ash Routen*, Clare Gillies*, Winifred Ekezie*, Anneka Welford*, Alexa Zhang, Urvi Karamchandani, Nikita Simms-Williams, Shabana Cassambai*, Ashkon Ardavani*, Thomas J Wilkinson*, Grace Hawthorne*, Ffion Curtis*, Andrew P Kingsnorth*, Abdullah Almaqhawi, Thomas Ward, Daniel Ayoubkhani, Amitava Banerjee, Melanie Calvert, Roz Shafran, Terence Stephenson, Jonathan Sterne, Helen Ward, Rachael A Evans, Francesco Zaccardi*, Shaney Wright, Kamlesh Khunti*

*Diabetes Research Centre, University of Leicester, Leicester, UK.

ClinicalMedicine. 2022 Dec 1;55:101762. doi: 10.1016/j.eclinm.2022.101762. eCollection 2023 Jan.

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染後の後遺症状の有病率について一般人口集団を対象とした研究論文を系統的に収集分析して検討をした。研究論文は2022年1月までの主要な電子データベース(MEDLINE、The Cochrane Library、Scopus、CINAHL、medRxiv)を用いて系統的に検索して収集した。COVID-19感染後28日以上の時点で100例以上の症例がある研究論文を分析対象とし、メタアナリシスを行って有病率を推定した。

分析対象の研究論文は、194件の735,006症例であった。18歳未満を対象に実施されものは5件あった。地域別ではヨーロッパ圏が106件で最も多く、次いでアジア圏が49件であった。追跡調査期間は28 - 387日までと幅があった。入院患者に関する研究は122件、非入院患者に関する研究が18件、54件は入院と非入院の患者が混合した研究であった。

入院状況に関わらず1つ以上症状が続いた(平均追跡調査期間:126日)者はCOVID-19の生存者の45%以上を占めていた。症状として「疲労」が最も多く、入院群では28.4%(95%CI:24.7% - 32.5%)、非入院群では34.8%(95%CI:17.6% - 57.2%)、混合群では25.2%(95%CI:17.7% - 34.6%)であった。入院群では、CT/X線異常が45.3%(95%CI:35.3% - 55.7%)、肺のすりガラス状陰影が41.1%(95%CI:25.7% - 58.5%)、一酸化炭素拡散能の低下が31.7%(95%CI:25.8% - 38.2%)であり、ともにその割合が高かった。

URL
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36474804/

コメント
COVID-19の生存者において、入院の有無に関わらず幅広い症状を訴えていた者が、4ヵ月時点でも45%いた。しかし、今回分析した研究論文は、研究デザイン、追跡調査期間や測定法が異なっており、これを統合して分析したものであるので、後遺症の問題を正確に示しているのかわからない。新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long Covid)については、現時点でその実態やその定義が明確にはされていないし、それに対する治療や管理についての対処やその考え方も定まっていない。今日、難病と言われる疾患の中に免疫疾患が多くあることから、COVID-19の感染が人間の生体に何らかの異常な病態をもたらしウイルスが体内から消えても中長期的に病態をもたらす可能性もないとは言えない。この種の研究も今後重要であると思われる。

監訳・コメント:関西大学大学院 社会安全学研究科 公衆衛生学 教授 高鳥毛 敏雄先生

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