難病Update

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Biological and targeted synthetic disease-modifying antirheumatic drugs (DMARDs)chronic kidney diseaseClinical Disease Activity Indexrheumatoid arthritis慢性腎臓病生物学的製剤および標的型合成疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)臨床疾患活動性指数関節リウマチ

2026.05.28

関節リウマチと慢性腎臓病の合併患者における生物学的製剤と分子標的合成薬による治療の有効性および治療継続性に関する評価:多施設共同前向きコホート研究

Effectiveness and persistence of biological and targeted synthetic treatment in patients with rheumatoid arthritis and chronic kidney disease: a multicentre, prospective cohort study

Sho Fukui*, Hilde S Ørbo, Sara K Tedeschi, Zeynep S Tuzun, Hongshu Guan, Leslie R Harrold, Heather J Litman, Tomohiro Shinozaki, Mitsumasa Kishimoto, Yoshinori Komagata, Takeaki Matsuda, Wolfgang C Winkelmayer, Daniel H Solomon

 

*Division of Rheumatology, Inflammation, and Immunity, Department of Medicine, Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA; Department of Emergency and General Medicine, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan; Department of Nephrology and Rheumatology, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan; Immuno-Rheumatology Center, St Luke's International Hospital, Tokyo, Japan. Electronic address: sho-fukui@ks.kyorin-u.ac.jp.

 

Lancet Rheumatol 2026 Apr 22:S2665-9913(26)00046-9. doi: 10.1016/S2665-9913(26)00046-9. Online ahead of print.

 

慢性腎臓病は、関節リウマチでよく見られる併存疾患である。関節リウマチと慢性腎臓病を有する患者に対する生物学的製剤と標的治療薬の使用に関するエビデンスがまだ乏しい。そこで、本研究は、関節リウマチと慢性腎臓病の合併患者に対する生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬と分子標的合成薬を使った治療の有効性と治療継続性を評価することを目的としたものである。

 

本研究は、CorEvitas Rheumatoid Arthritisに登録された米国内のリウマチ診療所160施設の関節リウマチ患者に対する生物学的製剤または分子標的合成薬による治療効果をみるための多施設共同前向きコホート研究である。関節リウマチに対する生物学的製剤または分子標的合成薬としては、TNF阻害薬、CTLA4免疫グロブリン、IL-6阻害薬、B細胞枯渇療法薬、JAK阻害薬が含まれている。研究対象は、関節リウマチの活動性がClinical Disease Activity Index(CDAI、スコア10超)で中等度以上の者であり、慢性腎臓病患者の定義は治療開始時の推定糸球体濾過量(eGFR)が60 mL/分/1.73 m²未満の者とした。主要転帰評価はCDAIスコアによる寛解率とした。eGFRが低下した者とそうでない者に対する傾向スコア重複重み付けを行い、Cox回帰分析を行った。そして、eGFR値に基づきCDAIに基づく寛解率の未補正および補正のハザード比(HR)を推計した。本研究の実施にあたり関節リウマチの有病者を関与させていない。

 

分析対象は、2001年10月1日 – 2023年12月31日に生物学的製剤および分子標的合成薬を使った治療を開始した関節リウマチ患者9,601例であった。追跡対象は51,931人年となった。年齢中央値59.0歳(IQR 50.0-67.0)、性別は女性9,720件(80.2%)、男性2,403件(19.8%)、人種は非ヒスパニック系白人が9,908件(81.7%)であった。eGFR値は12,123件中10,857件(89.6%)で維持されていたが、1,266件(10.4%)に低下が認められた。CDAIに基づく寛解率は、eGFRが維持されていた者では10,857件中3,025件(27.9%)であったが、eGFRが低下した者では1,266件中246件(19∙4%)であり寛解率が低かった(未補正HR 0.71[95%CI 0.62 – 0.82]、補正HR 0.76[0.66 – 0.88])。つまり、関節リウマチ治療薬の生物学的製剤および分子標的合成薬は慢性腎臓病の合併患者においてはeGFR値に関わらず薬剤に対する忍容性が高く、DMARD効果的な治療選択肢であった。しかし、eGFRが低下した患者の寛解率が低かったことから個別化した治療戦略の研究とその治療の確立が必要である。

 

本研究は、National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseasesから支援を受けた。

 

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42034110/

 

コメント

関節リウマチと慢性腎臓病の併存者に対する生物学的製剤または標的型合成疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の有効性または安全性を検討した報告や研究がまだ少ない。特に、主要評価項目を薬剤継続率とし、臨床疾患活動性指数(CDAI)に基づいて寛解率や疾患活動性を評価した大規模な研究はなかった。本研究は、大規模コホートを使って慢性腎臓病のステージ35に相当するeGFRの低下とCDAIに基づく寛解率との関連性を明らかにしている。このことは生物学的製剤および標的合成DMARDの薬剤の種類に関わらず一貫していた。またeGFR値の程度に関わらず治療継続率は同程度であったとしている。つまり、生物学的製剤および標的合成のDMARDは、関節リウマチおよび慢性腎臓病の合併患者の忍容性が高く有効な治療選択肢であることを示している。しかし、eGFRが低下した者の寛解率は低く、この集団に対する個別化された治療管理の戦略の確立が必要であるとしている。

 

監訳・コメント:関西大学名誉教授、大阪大学大学院医学系研究科委託講師 高鳥毛敏雄先生

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