難病Update

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Sleep and Dementia Consortium睡眠指標複合睡眠変数認知症

2026.10.29

Sleep and Dementia Consortiumにおける睡眠変数と認知機能検査の成績および認知症発症リスクとの関連

Association of Sleep Variables With Cognitive Performance and the Risk of Dementia in the Sleep and Dementia Consortium

Stephanie Yiallourou*, Crystal Wiedner, Qiong Yang, Andrée-Ann Baril, Jeffrey R Misialek, Christopher E Kline, Stephanie Harrison, Rebecca Bernal, Alycia Bisson, Dibya Himali, Tobyn Chiu, Marina G Cavuoto, Sonia Ancoli-Israel, Qian Xiao, Eleni Okeanis Vaou, Antoine Weihs, Yue Leng, Rebecca F Gottesman, Alexa S Beiser, Oscar L Lopez, Pamela L Lutsey, Shaun Purcell, Susan Redline, Sudha Seshadri, Katie L Stone, Kristine Yaffe, Matthew Paul Pase*, Jayandra Jung Himali

*School of Psychological Sciences and Turner Institute for Brain and Mental Health, Monash University, Melbourne, Australia.

Neurology. 2026 Aug 25;107(4):e218182. doi: 10.1212/WNL.0000000000218182. Epub 2026 Jul 29.

 

睡眠は多次元的なものであり、どの側面が認知機能および認知症発症リスクと最も関連しているかについては、依然として明らかにされていない。本研究では、データ駆動型アプローチを用いて、意味のある複合睡眠変数を反映する睡眠変数のクラスターを同定し、認知機能および認知症発症リスクとの関連を検討することを目的とした。

本研究は、米国の地域住民を対象とした5つのコホートから成るSleep and Dementia Consortiumのデータを用いた前向き観察コホート研究であった。認知機能の解析には45歳以上の参加者、認知症の解析には60歳以上の参加者を組み入れた。ベースラインの時点で、いずれの参加者にも認知症および脳卒中の既往はなかった。参加者に対し、方法論的に統一された在宅での睡眠ポリグラフ検査、認知症発症状況の調査を実施した。Cluster around latent variables analysisを用いて44の睡眠指標から9つの潜在複合睡眠変数を導出した。複合睡眠変数と認知機能検査の成績との関連を線形回帰モデルにより評価し、複合睡眠変数と認知症発症との関連をCox比例ハザードモデルにより評価した。P<0.05の結果を統計学的に有意とみなした。

認知機能の統合解析には5,958例(平均年齢±SD 70±11歳、女性32%)が組み入れられた。認知症発症の解析には5,471例(74±12歳、女性31%)が組み入れられた。1,134例が認知症を発症した(追跡期間中央値5 - 19年)。9つの複合睡眠変数が同定され、これらを合わせるともとの44の睡眠指標における総分散の49%が説明された。9つの複合睡眠変数は、睡眠の量および効率、睡眠の断片化、浅いノンレム(NREM)睡眠優位、N3優位、紡錘波の数および持続時間、レム(REM)睡眠区間、呼吸障害、徐波振動と紡錘波の結合、紡錘波の振幅であった。これらのうち、睡眠の量が多く効率がよいこと(すなわち、睡眠時間が長く睡眠の連続性が高いこと)を反映する複合変数(複合変数の1単位の変化あたりの統合β0.03、95%CI 0.004 - 0.06、P=0.033)、および徐波振動と紡錘波の結合が強いことを反映する複合変数(統合β0.04、95%CI 0.003 - 0.07、P=0.039)に、全般的認知機能が良好であることとの関連が認められた。しかし、9つの複合睡眠変数と認知症発症リスクとのあいだには、有意な関連は認められなかった。

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42525904/

コメント

パーキンソン病では、運動症状が現れる前からレム睡眠行動障害などの睡眠障害が出現することをよく経験する。パーキンソン病発症の環境因子の一つが睡眠ではないかと言われており、それほど神経変性疾患と睡眠との関係は重要と思われる。

今回の報告は睡眠と認知症の関連であるが、異常複合睡眠変数と認知症発症リスクとのあいだに有意な関連は認められなかった。しかし、睡眠時間が長く睡眠の連続性が高いこと、および徐波振動と紡錘波の結合が強いことと、認知機能検査の成績とのあいだには関連が認められた。著者らが指摘するように、これらの複合変数は、睡眠と脳の健康との関連についてさらに検討するうえでの指針として有用となる可能性があり、さらなる研究への橋渡し的研究で、興味があり取り上げた。

監訳・コメント:国立病院機構 大阪南医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生

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