「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2024.07.30NEW
身体活動、フィットネスと筋萎縮性側索硬化症の長期リスク 前向きコホート研究
Physical Activity, Fitness, and Long-Term Risk of Amyotrophic Lateral Sclerosis A Prospective Cohort Study
様々なスポーツにおいて、プロ選手は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスクが高いことが観察研究で示されている。コホート研究を通じて、身体活動および体力の指標(自己報告による身体活動および安静時心拍数)とALSの長期リスクとの関連を評価することを目的とした。
2024.07.30NEW
米国の2007 - 2021年の自己免疫性リウマチ性疾患の新規登録患者における疼痛管理方法の年次推移の検討:医療保険請求データを用いた研究
Annual trends in pain management modalities in patients with newly diagnosed autoimmune rheumatic diseases in the USA from 2007 to 2021: an administrative claims-based study
自己免疫性リウマチ性疾患患者の疼痛管理がとても重要な課題であるとなっていることから、その管理方法の年次的推移を検討した。分析患者は、2007 - 2021年の期間にMerative Marketscan Research Databaseに登録されていた強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性硬化症、または全身性エリテマトーデス(SLE)の自己免疫疾患の新規登録患者である。
2024.07.30NEW
難治性関節リウマチに対する二重特異性T細胞誘導療法
Bispecific T cell engager therapy for refractory rheumatoid arthritis
関節リウマチ(RA)は自己免疫性炎症疾患であり、RAの病理発生にはB細胞が密接に関与していることが示されている。RA治療は近年大幅に進歩してきたが、それでも治療効果が得られない患者がいる。こうした多剤抵抗性RAに対して、T細胞の活性化によりB細胞を傷害する二重特異性T細胞誘導(BiTE)が有望と考えられる。本研究では、多剤抵抗性RA患者6例に対して、CD19とCD3の両方を標的とするBiTEであるブリナツモマブにより治療を行った。
総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
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監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 元 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学大学院社会安全学研究科公衆衛生学 特別契約教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2024.07.30
身体活動、フィットネスと筋萎縮性側索硬化症の長期リスク 前向きコホート研究
Physical Activity, Fitness, and Long-Term Risk of Amyotrophic Lateral Sclerosis A Prospective Cohort Study
様々なスポーツにおいて、プロ選手は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスクが高いことが観察研究で示されている。コホート研究を通じて、身体活動および体力の指標(自己報告による身体活動および安静時心拍数)とALSの長期リスクとの関連を評価することを目的とした。
2024.07.30
米国の2007 - 2021年の自己免疫性リウマチ性疾患の新規登録患者における疼痛管理方法の年次推移の検討:医療保険請求データを用いた研究
Annual trends in pain management modalities in patients with newly diagnosed autoimmune rheumatic diseases in the USA from 2007 to 2021: an administrative claims-based study
自己免疫性リウマチ性疾患患者の疼痛管理がとても重要な課題であるとなっていることから、その管理方法の年次的推移を検討した。分析患者は、2007 - 2021年の期間にMerative Marketscan Research Databaseに登録されていた強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性硬化症、または全身性エリテマトーデス(SLE)の自己免疫疾患の新規登録患者である。
2024.07.30
難治性関節リウマチに対する二重特異性T細胞誘導療法
Bispecific T cell engager therapy for refractory rheumatoid arthritis
関節リウマチ(RA)は自己免疫性炎症疾患であり、RAの病理発生にはB細胞が密接に関与していることが示されている。RA治療は近年大幅に進歩してきたが、それでも治療効果が得られない患者がいる。こうした多剤抵抗性RAに対して、T細胞の活性化によりB細胞を傷害する二重特異性T細胞誘導(BiTE)が有望と考えられる。本研究では、多剤抵抗性RA患者6例に対して、CD19とCD3の両方を標的とするBiTEであるブリナツモマブにより治療を行った。
2024.06.26
A041202試験の追跡調査は、高齢の慢性リンパ性白血病(CLL)患者におけるイブルチニブレジメンの持続的な有効性を示している
Follow-up from the A041202 study shows continued efficacy of ibrutinib regimens for older adults with CLL
A041202試験(NCT01886872)は、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)高齢患者を対象に、ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法(BR)を、イブルチニブ単独療法およびイブルチニブ+リツキシマブ併用療法(IR)と比較する第3相試験である。本試験の当初の結果で、イブルチニブを含むレジメンにおいて優れた無増悪生存(PFS)が示され、また、リツキシマブの追加による上乗せ効果は認められなかった。
2024.06.26
IgG4関連疾患の臨床表現型の予測因子及び免疫応答の決定因子としての性差の違いの検討:米国リウマチ学会‐欧州リウマチ学会分類基準患者を対象とした後ろ向き研究による
Sex as a predictor of clinical phenotype and determinant of immune response in IgG4-related disease: a retrospective study of patients fulfilling the American College of Rheumatology–European League Against Rheumatism classification criteria
IgG4関連疾患は、多臓器の線維炎症性自己免疫疾患と考えられている。これまでの研究から性差により表現型の違いがあることが示されている。本研究は、単一施設における後ろ向きコホートによりIgG4関連疾患の患者の性差による病態と症状の違いを検討することを目的として行った。
2024.06.26
REM睡眠行動障害を合併したパーキンソン病患者におけるグルタミン酸シグナル伝達
Glutamate Signaling in Patients With Parkinson Disease With REM Sleep Behavior Disorder
REM睡眠行動障害(RBD)を合併したパーキンソン病(PD)はさらに悪性の表現型であり、運動症状の進行が速く、非運動症状による負担が大きい。しかし、神経伝達系の不均衡に関するこのような臨床的相違の根底にある神経機構については依然として分かっていない。磁気共鳴(MR)スペクトロスコピーと[11C]ABP688 PETをPET/MRハイブリッドシステムで組み合わせて、PD患者における2つの異なるグルタミン酸シグナル伝達の機序を同時に検討した。
2024.06.04
日本の全国調査における慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの有病率、臨床プロファイルおよび予後
Prevalence, Clinical Profiles, and Prognosis of CIDP in Japanese Nationwide Survey
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)の現在の疫学、臨床プロファイル、治療を日本の全国調査を用いて検討する。2021年に確立された疫学的手法を用いて、全国調査を行った。日本全国の病院の脳神経内科および小児科に質問票を送付した。一次調査で患者数と有病率を明らかにし、二次調査で詳細な臨床情報を収集した。
2024.05.30
門脈周囲マクロファージは腸内細菌が誘導する肝炎に対して保護作用を有する
Periportal macrophages protect against commensal-driven liver inflammation
本研究では、生体内イメージングにより炎症反応がPV領域において抑制されていることが示された。領域別のシングルセル・トランスクリプトミクスにより、PV領域には免疫抑制作用を有するマクロファージが豊富に存在することが確認された。
2024.05.30
ダウン症候群と優性遺伝性アルツハイマー病の患者におけるタウ分布領域の比較:断面的調査研究
Comparison of tau spread in people with Down syndrome versus autosomal-dominant Alzheimer’s disease: a cross-sectional study
若年性アルツハイマー病患者の早期病理変化の分析を行うことが、予防介入する研究や臨床試験の実施には重要である。そこで、ダウン症候群と優性遺伝性アルツハイマー病の患者の脳内タウ蛋白質の分布の程度と空間的な範囲や時間的な分布順序を比較することにより検討した。
2024.04.26
神経疾患に対する遺伝子検査における格差
Disparities in Genetic Testing for Neurologic Disorders
遺伝子検査は現在、多くの神経疾患において標準治療となっている。神経疾患を有する成人において遺伝子検査へのアクセスとその結果が人種、民族、性別、社会経済的地位、保険によって異なるという仮説を検証した。