
「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2026.07.29NEW
食事と運動によって十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病患者に対するGIP、GLP-1、グルカゴン受容体作動薬retatrutideの有効性及び安全性(TRANSCEND-T2D-1):二重盲検、無作為化、第3相試験
Efficacy and safety of retatrutide, a GIP, GLP-1, and glucagon receptor agonist, in people with type 2 diabetes and inadequate glycaemic control with diet and exercise (TRANSCEND-T2D-1): a double-blind, randomised, phase 3 trial
RetatrutideはGIP、GLP-1、グルカゴン3重受容体作動薬であり、2型糖尿病、肥満、および関連する合併症に対して臨床開発されている。われわれの目的は、食事と運動のみでは十分なコントロールが得られていない2型糖尿病患者を対象として、retatrutide単剤療法の有効性及び安全性を評価することである。
2026.07.29NEW
イングランドにおけるCOVID-19パンデミック前後の自己免疫リウマチ疾患の診断率の変化に関する研究:OpenSAFELYを用いた地域ベースのコホート研究
Trends in autoimmune rheumatic disease diagnoses before and after the COVID-19 pandemic in England: a population-based cohort study using OpenSAFELY
COVID-19パンデミック初期に多くの国で自己免疫疾患の診断率が低下したとの報告がある。その後、診断率がパンデミック前のレベルに戻ったのかに関する報告はまだない。そこで、パンデミック前後の主な自己免疫疾患の診断率について、地域集団全体を網羅するデータを使い、疾患別、年齢グループ、性別、民族別、及び社会階層別に比較評価した。
2026.07.29NEW
主要な運動性の神経変性疾患において有病率の上昇をもたらす要因:スウェーデンとフランスでの経時的推移(2003 - 22年)
Drivers of Rising Prevalence in Major Motor Neurodegenerative Diseases: Temporal Trends in Sweden and France (2003–2022)
パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)、運動ニューロン疾患(MND)の有病率は世界的に上昇している。しかし、それが発生率の上昇や診断後の生存期間の改善とどの程度関連しているかは明らかでない。住民を対象とした全国規模の後ろ向きコホート研究を2件実施した。対象者は、それぞれ2001 - 16年のスウェーデン居住者全員、2009 - 22年のフランス居住者全員とした。
| 総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
|---|---|
| 監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学名誉教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
| 主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
| 編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2026.04.28
パーキンソン病における線条体ドパミントランスポーターと安静時振戦:臨床評価
Striatal Dopamine Transporter and Rest Tremor in Parkinson Disease: A Clinical Validation
パーキンソン病(PD)における振戦発生の背景にある機序は依然として明らかになっていない。我々は以前、Parkinson Progression Markers Initiativeコホートにおいて、安静時振戦の振幅と、同側の線条体におけるドパミントランスポーター(DAT)の結合性の高さとの関連を示した。今回は、パーキンソン病様の運動症状と線条体におけるDAT結合との関連を検討した。
2026.04.28
血漿中のeMTBR-tau243とp-tau217を統合的に検査することによるアルツハイマー病の診断と層別化:前向きコホート研究
Integration of plasma eMTBR-tau243 and p-tau217 in the diagnosis and stratification of Alzheimer’s disease: a prospective cohort study
本研究は、血漿中p-tau217が陽性の患者の血漿中eMTBR-tau243を測定することにより、診断精度を高め、認知機能低下と神経原線維変化に関わる物質の蓄積を予測できるのか検討した。
2026.03.30
抗リン脂質抗体症候群患者の心血管リスクの検討と原発性抗リン脂質抗体症候群患者と全身性エリテマトーデス関連抗リン脂質抗体症候群患者の心血管リスクの比較(SURF-SLE and APS project):11ヵ国の1,003症例に基づく横断研究
Cardiovascular risk factor control in antiphospholipid syndrome, and differences between primary and systemic lupus erythematosus-related antiphospholipid syndrome (SURF-SLE and APS project): a cross-sectional study of 1003 individuals from 11 countries
欧州リウマチ学会連合(EULAR)は、抗リン脂質抗体症候群(APS)の患者の心血管リスクの管理制御が重要であることを強調している。また、原発性APSと全身性エリテマトーデス(SLE)関連APSの心血管リスクに違いがあるのかまだ明らかになっていない。本研究は、上記のことを確かめるために11ヵ国の17施設における2015年1月1日 – 2020年1月1日の間の18歳以上の改訂Sapporo criteriaのAPS診断基準を満たす患者を使った横断的研究である。
2026.03.30
アミロイド病理の陽性者および陰性者を含む認知機能が正常な高齢者における白質統合性に関連するCSFプロテオミクスプロファイル
CSF Proteomic Profiles Associated With White Matter Integrity in Cognitively Normal Older Adults With and Without Amyloid Pathology
アルツハイマー病(AD)の発症および進行に白質の損傷が関与している可能性を示すエビデンスが増えつつある。しかし、生体内における白質画像バイオマーカーの背景にある生物学的プロセスは依然として明らかになっていない。我々は、認知機能正常者(アミロイド病理陽性者と陰性者を含む)を対象に、白質統合性と関連する分子シグネチャーを明らかにしようと試みた。
2026.03.30
骨髄増殖性腫瘍の線維化進行における単球中CD38の役割
The role of CD38 in monocytes during fibrotic progression of myeloproliferative neoplasms
炎症誘発性シグナル伝達は、骨髄増殖性腫瘍の特徴である。複数の研究により、単球が炎症誘発性サイトカインの主な発生源であり、単球由来の線維細胞が骨髄線維症(MF)の病因として重要な役割を果たしていることが示されている。MFにおける単球の役割をさらに調査するため、われわれはNrasG12D/+Jak2V617F/+(NJ)誘導型マウスを作製した。
2026.02.26
白血病は、ネオアンチゲン特異的CD4陽性T細胞に1型制御性プログラムを作動させることにより、免疫を回避する
Leukemia escapes immunity by imposing a type 1 regulatory program on neoantigen-specific CD4+ T cells
急性リンパ芽球性白血病(ALL:acute lymphoblastic leukemia)における生体内での免疫監視の重要性についてはいまだ議論の余地がある。われわれは、B細胞性ALLの臨床検体および新規マウスモデルを用いて、白血病微小環境でネオアンチゲン特異的CD4陽性T細胞が1型制御性(Tr1:type 1 regulatory)機能を作動するよう誘導されることを示す。
2026.02.26
Genome Aggregation Database(gnomAD)を使った嚢胞性線維症の世界の発生率の解析と世界の患者に対する診断とケアのニーズの評価
Analysis of the Genome Aggregation Database (gnomAD) reveals a global burden of cystic fibrosis and the need for improved diagnosis and care
嚢胞性線維症(CF)は多様な集団で発生している。非欧州地域における発生率が低いとされているが、欧州と非欧州の人口集団における発生率に違いがない可能性がある。
2026.02.26
アルツハイマー病の連続体における皮質の自由水と脳内タウの神経原線維変化の蓄積量との関連
Association of Cortical Free Water With Brain Tau Tangle Load in the Alzheimer Disease Continuum
アルツハイマー病(AD)において神経原線維変化(NFT)は灰白質を進行性に障害する。その結果生じる皮質の微細構造の変化は、細胞外自由水の含量を反映する等方性水拡散を用いて検討できる可能性がある。
2026.01.28
高脂肪乳製品および低脂肪乳製品の摂取と認知症の長期リスク:25年間の前向きコホート研究から得られたエビデンス
High- and Low-Fat Dairy Consumption and Long-Term Risk of Dementia Evidence From a 25-Year Prospective Cohort Study
乳製品の摂取と認知症リスクとの関連は、とくに脂肪含量の異なる乳製品に関して、依然として明らかになっていない。本研究の目的は、高脂肪乳製品および低脂肪乳製品の摂取と認知症リスクとの関連を検討することである。
2026.01.28
CD27刺激は抗腫瘍免疫に重要な長期生存CD4 T細胞のワクチン応答を亢進させる
CD27 agonism enhances long-lived CD4 T cell vaccine responses critical for antitumor immunity
腫瘍抗原に対するワクチンはがんの治療アプローチとして魅力的だが、現在のところがんの標準治療として実現はしていない。ワクチンの長期での有効性を調べるため、我々はヒト上皮細胞増殖因子受容体2(human epidermal growth receptor 2:HER2)陽性乳がん患者でHER2標的ワクチンを投与され、かつ18年を超えて生存した患者について後ろ向き分析を行った。