「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2023.11.29NEW
1990 - 2019年の世界的、地域別および国別にみた脊髄損傷の負担:Global Burden of Disease Study 2019の系統的解析
Global, regional, and national burden of spinal cord injury, 1990–2019: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2019
脊髄損傷は、早期の死亡や長期の障害などの健康上の問題をもたらし、またそのケアに対する社会負担が大きい重大な障害である。本研究は、Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study(GBD)2019のデータを用いて、1990 - 2019年の間の脊髄損傷について、年齢、性別、年数、損傷の原因の推移を明かにするために行ったものである。
2023.11.29NEW
前頭側頭葉変性症患者における脈絡叢の容積と血清バイオマーカー、臨床的特徴、および疾患重症度との関連
Association of Choroid Plexus Volume With Serum Biomarkers, Clinical Features, and Disease Severity in Patients With Frontotemporal Lobar Degeneration Spectrum
神経変性疾患の病態生理において、脈絡叢(ChP)が重要な脳構造であることがわかってきている。この観察研究で、前頭側頭葉変性症(FTLD)スペクトラムの患者の大規模コホートでChPの容積を調べ、ChPの容積とその他の疾患特異的バイオマーカーとの間に関連がみられる可能性を探った。
2023.11.29NEW
再発・難治性多発性骨髄腫に対するelranatamab:MagnetisMM-1第1相試験
Elranatamab in relapsed or refractory multiple myeloma: the MagnetisMM-1 phase 1 trial
多発性骨髄腫(MM)はB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する形質細胞の悪性腫瘍である。Elranatamabは二重特異性抗体であり、MMのBCMAとT細胞のCD3に結合する。MagnetisMM-1試験ではelranatamabの安全性、薬物動態、有効性を評価した。
総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
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監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学大学院社会安全学研究科公衆衛生学 教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2019.02.26
長期のボツリヌス神経毒素治療後の高い中和抗体保有率
High prevalence of neutralizing antibodies after long-term botulinum neurotoxin therapy
さまざまな神経学的適応症においてA型ボツリヌス神経毒素(botulinum neurotoxin type A:BoNT/A)による長期治療中のBoNT/Aに対する中和抗体(neutralizing antibody:NAb)の保有率を調査する。この単施設での横断的観察研究では、さまざまな適応症に対してBoNT/A治療中の外来患者596例のBoNT/A結合抗体をELISA法で調べた。
2019.02.26
ヨーロッパ系血統の人種における中等度・重度喘息患者のゲノム解析
Moderate-to-severe asthma in individuals of European ancestry: a genome-wide association study
中等度・重度喘息に関連する遺伝子変異を2段階の症例対照研究により検討した。1段階として、英国のコホートGASPイニシアチブ(Genetics of Asthma Severity and Phenotypes)とU-BIOPREDプロジェクト(Unbiased BIOmarkers in PREDiction of respiratory disease outcomes)の2つを使った。
2019.02.26
バリシチニブの投与を受けた関節リウマチ患者におけるリンパ球サブセットの特徴と変動:統合解析
Characterization and changes of lymphocyte subsets in baricitinib-treated patients with rheumatoid arthritis: an integrated analysis
バリシチニブは、関節リウマチ(RA)治療での効果が示されている経口JAK 1/2阻害薬である。バリシチニブ投与下でのリンパ球サブセットの変動を分析し、これらの変動とDAS28-hsCRPなどの臨床アウトカムとの相関を明らかにするため、活動性RA患者を対象にバリシチニブとプラセボを比較した
2019.01.26
子癇前症(妊娠高血圧腎症)と高齢期の認知症リスク:全国的コホート研究
Pre-eclampsia and risk of dementia later in life: nationwide cohort study
子癇前症(最近は妊娠高血圧腎症に総称されている)と高齢期になってからの認知症の発症との関連性をデンマークの全国民を登録したデーターベースを使ったコホート研究により調査した。
2019.01.26
パーキンソン症候群及びパーキンソン病における死亡の早期予測因子 地域住民を対象とした研究
Early predictors of mortality in parkinsonism and Parkinson disease: A population-based study
地域住民を対象として、新たに発症したパーキンソン症候群及びパーキンソン病における死亡及び関連する危険因子(軽度認知障害、画像所見、及びCSF異常が及ぼし得る影響など)を調査する。
2019.01.26
メトトレキサートの効果が不十分な関節リウマチ患者に対する、腫瘍壊死因子およびインターロイキン17Aを標的とする二重特異性の二重可変ドメイン免疫グロブリン製剤ABT-122:無作為化二重盲検試験
ABT-122, a bispecific dual variable domain immunoglobulin targeting tumor necrosis factor and interleukin-17A, in patients with rheumatoid arthritis with an inadequate response to methotrexate: a randomized, double-blind study
ABT-122は、関節リウマチ(RA)の病態生理に寄与する腫瘍壊死因子(TNF)とインターロイキン17A(IL-17A)の両方を標的とする二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)である。メトトレキサートの効果が不十分かつ生物学的製剤の投与歴のないRA患者を対象として、ABT-122の安全性と有効性を評価した。