
「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2026.03.30NEW
抗リン脂質抗体症候群患者の心血管リスクの検討と原発性抗リン脂質抗体症候群患者と全身性エリテマトーデス関連抗リン脂質抗体症候群患者の心血管リスクの比較(SURF-SLE and APS project):11ヵ国の1,003症例に基づく横断研究
Cardiovascular risk factor control in antiphospholipid syndrome, and differences between primary and systemic lupus erythematosus-related antiphospholipid syndrome (SURF-SLE and APS project): a cross-sectional study of 1003 individuals from 11 countries
欧州リウマチ学会連合(EULAR)は、抗リン脂質抗体症候群(APS)の患者の心血管リスクの管理制御が重要であることを強調している。また、原発性APSと全身性エリテマトーデス(SLE)関連APSの心血管リスクに違いがあるのかまだ明らかになっていない。本研究は、上記のことを確かめるために11ヵ国の17施設における2015年1月1日 – 2020年1月1日の間の18歳以上の改訂Sapporo criteriaのAPS診断基準を満たす患者を使った横断的研究である。
2026.03.30NEW
アミロイド病理の陽性者および陰性者を含む認知機能が正常な高齢者における白質統合性に関連するCSFプロテオミクスプロファイル
CSF Proteomic Profiles Associated With White Matter Integrity in Cognitively Normal Older Adults With and Without Amyloid Pathology
アルツハイマー病(AD)の発症および進行に白質の損傷が関与している可能性を示すエビデンスが増えつつある。しかし、生体内における白質画像バイオマーカーの背景にある生物学的プロセスは依然として明らかになっていない。我々は、認知機能正常者(アミロイド病理陽性者と陰性者を含む)を対象に、白質統合性と関連する分子シグネチャーを明らかにしようと試みた。
2026.03.30NEW
骨髄増殖性腫瘍の線維化進行における単球中CD38の役割
The role of CD38 in monocytes during fibrotic progression of myeloproliferative neoplasms
炎症誘発性シグナル伝達は、骨髄増殖性腫瘍の特徴である。複数の研究により、単球が炎症誘発性サイトカインの主な発生源であり、単球由来の線維細胞が骨髄線維症(MF)の病因として重要な役割を果たしていることが示されている。MFにおける単球の役割をさらに調査するため、われわれはNrasG12D/+Jak2V617F/+(NJ)誘導型マウスを作製した。
| 総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
|---|---|
| 監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学名誉教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
| 主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
| 編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2021.03.25
サイトカインのチェックポイントを標的とすることによって臍帯血由来のCAR-NK細胞の適応能が強化される
Targeting a cytokine checkpoint enhances the fitness of armored cord blood CAR-NK cells
免疫チェックポイント抗体療法は、ある種のがんの転帰を著しく改善している。チェックポイントを標的とした治療の臨床への影響を拡大するため、インターロイキン15[IL-15]のシグナル伝達を負に制御するのに重要な因子であるサイトカイン誘導性Srcホモロジー2を有する蛋白質(CIS)をノックダウンする技術と、臍帯血由来ナチュラルキラー(NK)細胞における第四世代キメラ抗体受容体(CAR)の技術を組み合わせたストラテジーを開発した。
2021.03.25
希少病原性遺伝子変異にSNPチップを使うことの有効性の検討:地域ベース研究から
Use of SNP chips to detect rare pathogenic variants: retrospective, population based diagnostic evaluation
SNPチップを使って地域における遺伝子変異のスクリーニング検査が有効か、について評価するためにシークエンス分析の結果をゴールデンスタンダードとし、敏感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を使って評価した。対象者は、英国バイオバンク(UK Biobank)の登録者49,908例と、
2021.02.26
高比重リポ蛋白コレステロールの変動とパーキンソン病発症リスク
Association of High-density Lipoprotein Cholesterol Variability and the Risk of Developing Parkinson’s Disease
高比重リポ蛋白コレステロール(high-density lipoprotein cholesterol:HDL-C)値およびHDL-Cの変動とパーキンソン病(Parkinson's disease:PD)発症リスクとの縦断的な関連を調査することを目的とした。地域住民を対象とした全国規模のコホート研究を行った。2008 - 13年に韓国の国民健康保険制度で実施された健康診断を3回以上受けた65歳以上の被験者382,391例を対象とし、2017年まで追跡調査を行った。多変量調整Cox比例ハザード回帰分析を行った。
2021.02.26
背部痛と変形性関節症の疼痛に対する抗うつ剤の有効性と安全性:システマティックレビューとメタアナリシス
Efficacy and safety of antidepressants for the treatment of back pain and osteoarthritis: systematic review and meta-analysis
背部痛と変形性関節症疼痛に対して各種の抗うつ薬が使われているが、その有効性と安全性が十分に評価されていない。腰痛、頸部痛、坐骨神経痛、変形性股関節症痛、変形性膝関節症痛に対して抗うつ薬を投与した無作為化比較試験により有効性と安全性を評価した論文をMedline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、CINAHL、International Pharmaceutical Abstracts、ClinicalTrials.gov、World Health Organization International Clinical Trials Registry Platformの文献データーベースから選び出した。主要評価項目は、
2021.02.26
抗PD1抗体で古典的ホジキンリンパ腫患者を治療すると腫瘍縮小や腫瘍微小環境の変化が誘導されるが細胞傷害性T細胞の活性化はみられない
Tumor and microenvironment response but no cytotoxic T-cell activation in classic Hodgkin lymphoma treated with anti-PD1
古典的ホジキンリンパ腫(classic Hodgkin lymphoma:cHL)は、プログラム細胞死タンパク1(programmed cell death protein 1:PD1)を標的とする抗体治療に対する感受性が最も高いがん腫であり、少数のHodgkin細胞/Reed-Sternberg細胞(HRSC)を特徴とする独特な腫瘍微小環境(tumor microenvironment:TME)を有する。固形腫瘍での抗PD1抗体の効果は、主としてCD8陽性細胞傷害性T細胞を介したものであると考えられるが、
2021.01.25
STARS第II相試験:アンジェルマン症候群に対するgaboxadolの無作為化比較試験
The STARS Phase 2 Study: A Randomized Controlled Trial of Gaboxadol in Angelman Syndrome
アンジェルマン症候群(AS)患者を対象にgaboxadol(OV101)の安全性、忍容性、および探索的有効性エンドポイントをプラセボと比較し評価する。
2021.01.25
同種移植後の急性骨髄性白血病/骨髄異形成症候群患者に対するドナー由来の白血病特異的T細胞注入の臨床効果
Clinical effects of administering leukemia-specific donor T cells to patients with AML/MDS post-allogeneic transplant
急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)の患者では、同種造血幹細胞移植(HCT)後の再発は死因の上位を占める。再発例に対する治療法として、移植片対白血病(GVL)効果の強化を目的としたドナーリンパ球輸注療法(DLI)が用いられる。しかし、注入されるリンパ球は白血病特異的に選択されたものではないため、そのGVL効果には、アロ反応性リンパ球の同時注入が原因の生命を脅かす移植片対宿主病(GVHD)が伴うことが多い。GVHDを最小限に抑えGVLを最大限高めるため、AML/MDSの細胞が発現する複数の癌抗原(PRAME、WT1、サバイビン、NY-ESO-1)に反応する、幹細胞ドナー由来のT細胞を選択的に活性化させ、増殖させた(multi-leukemia antigen specificity: mLSTs)。
2021.01.25
英国における手根管除圧術後の重篤な術後合併症と再手術:全国コホート解析
Serious postoperative complications and reoperation after carpal tunnel decompression surgery in England: a nationwide cohort analysis
手根管症候群治療の手根管除圧術は一般的な術式の1つとされている。しかし、その安全性と有効性の評価が乏しい。そこで、英国の死亡者を含む入院患者記録データ(Hospital Episode Statistics)の中から、1998年4月1日から2017年3月31日の18歳以上のすべての手根管除圧術を受けた患者の予後を追跡評価した。
2020.12.23
脳アミロイドβ、脳小血管病、および認知機能 物忘れ外来における一研究
Brain amyloid β, cerebral small vessel disease, and cognition: A memory clinic study
物忘れ外来における研究で、脳アミロイドβ(amyloidβ:Aβ)と脳小血管病(cerebral small vessel disease:CSVD)マーカーとの関連、ならびにこれらが認知機能に及ぼす複合的な作用を評価する。物忘れ外来を受診し、認知機能障害なし、認知機能障害はあるが認知症なし(cognitive impairment no dementia:CIND)、アルツハイマー型認知症(Alzheimer dementia:AD)、または血管性認知症と診断された計186例を組み入れた。
2020.12.23
iPS細胞由来NK細胞は高い殺細胞能を維持し、in vivoではT細胞及び抗PD-1抗体と協調して腫瘍制御を促進する
iPSC-derived NK cells maintain high cytotoxicity and enhance in vivo tumor control in concert with T cells and anti-PD-1 therapy
免疫チェックポイント抑制性受容体(PD-1など)やそのリガンド(PD-L1など)を標的とするモノクローナル抗体による免疫療法の開発により、がん治療は大きく変化した。しかしながら、持続的な腫瘍退縮効果が得られる患者は少数にすぎない。