
「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2026.01.28NEW
高脂肪乳製品および低脂肪乳製品の摂取と認知症の長期リスク:25年間の前向きコホート研究から得られたエビデンス
High- and Low-Fat Dairy Consumption and Long-Term Risk of Dementia Evidence From a 25-Year Prospective Cohort Study
乳製品の摂取と認知症リスクとの関連は、とくに脂肪含量の異なる乳製品に関して、依然として明らかになっていない。本研究の目的は、高脂肪乳製品および低脂肪乳製品の摂取と認知症リスクとの関連を検討することである。
2026.01.28NEW
CD27刺激は抗腫瘍免疫に重要な長期生存CD4 T細胞のワクチン応答を亢進させる
CD27 agonism enhances long-lived CD4 T cell vaccine responses critical for antitumor immunity
腫瘍抗原に対するワクチンはがんの治療アプローチとして魅力的だが、現在のところがんの標準治療として実現はしていない。ワクチンの長期での有効性を調べるため、我々はヒト上皮細胞増殖因子受容体2(human epidermal growth receptor 2:HER2)陽性乳がん患者でHER2標的ワクチンを投与され、かつ18年を超えて生存した患者について後ろ向き分析を行った。
2026.01.28NEW
COVID-19によるLong COVID(罹患後の長期症状)のサブタイプの検討:システマティックレビュー
Identifying subtypes of Long COVID: a systematic review
SARS-CoV-2感染後、長期にわたり多臓器に多様な症状が持続することがある。これがLong COVIDである。その治療管理には症状の分類やクラスター化を行い、病態生理学的メカニズムを解明する必要がある。本研究は、PubMed、Embase、Web of Science、Google Scholarの論文データベースを用いて、PRISMAガイドラインにより関連する論文を抽出した。
| 総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
|---|---|
| 監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学大学院社会安全学研究科公衆衛生学 特別契約教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
| 主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
| 編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2024.09.27
イングランドにおける食物アレルギーの疫学動向:Clinical Practice Research Datalinkを使った観察データによる分析
Time trends in the epidemiology of food allergy in England: an observational analysis of Clinical Practice Research Datalink data
食物アレルギーの推定有病率はこれまで報告の間に大きなばらつきがあり、また成人のデータは乏しい状況にあった。そこでイングランドの1998 - 2018のデータ及びイングランドの主要病院の診療データ(Clinical Practice Research Datalink)を用いて、食物アレルギーの罹患率と有病率を算出、この間の疫学動向を分析した。
2024.08.29
B細胞を標的としたCAR T細胞療法はヒトおよび非ヒト霊長類においてCD8+細胞傷害性CARnegバイスタンダーT細胞を活性化する
B-cell-directed CAR T-cell therapy activates CD8+ cytotoxic CARneg bystander T cells in patients and nonhuman primates
本研究では、非ヒト霊長類(NHP)および患者に由来するT細胞について、B細胞を標的としたCAR T細胞療法後におけるCARneg T細胞のバイスタンダー活性化の表現型および転写に関する特徴を明かにするためにシングルセルRNAシークエンシングを実施した。
2024.08.29
筋萎縮性側索硬化症の回復表現型の遺伝的関連
Genetic Associations With an Amyotrophic Lateral Sclerosis Reversal Phenotype
「ALS Reversal」とは、当初は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断基準を満たした、又は進行性筋萎縮(PMA)に最も合致する臨床的特徴が見られていたが、その後に大幅かつ持続的な臨床的改善が認められた患者を表す語である。このゲノムワイド関連解析(GWAS)の目的は、通常と異なるこの臨床表現型の相関を同定することである。
2024.08.29
パーキンソン病患者におけるリー・シルバーマン発声発話療法、NHSスピーチ言語療法、構音障害コントロールの比較研究(PD COMM Study):英国における多施設共同による3群の同時並行の非盲検無作為化対照試験
Lee Silverman voice treatment versus NHS speech and language therapy versus control for dysarthria in people with Parkinson’s disease (PD COMM): pragmatic, UK based, multicentre, three arm, parallel group, unblinded, randomised controlled trial
本研究は、パーキンソン病患者の構音障害に対するリー・シルバーマン・ラウド発声発話療法(LSVT LOUD)の有効性評価を、英国の多施設共同研究(PD COMM Study)の患者を使い、その他の2群と非盲検無作為化対照試験により行った。
2024.07.30
身体活動、フィットネスと筋萎縮性側索硬化症の長期リスク 前向きコホート研究
Physical Activity, Fitness, and Long-Term Risk of Amyotrophic Lateral Sclerosis A Prospective Cohort Study
様々なスポーツにおいて、プロ選手は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスクが高いことが観察研究で示されている。コホート研究を通じて、身体活動および体力の指標(自己報告による身体活動および安静時心拍数)とALSの長期リスクとの関連を評価することを目的とした。
2024.07.30
米国の2007 - 2021年の自己免疫性リウマチ性疾患の新規登録患者における疼痛管理方法の年次推移の検討:医療保険請求データを用いた研究
Annual trends in pain management modalities in patients with newly diagnosed autoimmune rheumatic diseases in the USA from 2007 to 2021: an administrative claims-based study
自己免疫性リウマチ性疾患患者の疼痛管理がとても重要な課題であるとなっていることから、その管理方法の年次的推移を検討した。分析患者は、2007 - 2021年の期間にMerative Marketscan Research Databaseに登録されていた強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性硬化症、または全身性エリテマトーデス(SLE)の自己免疫疾患の新規登録患者である。
2024.07.30
難治性関節リウマチに対する二重特異性T細胞誘導療法
Bispecific T cell engager therapy for refractory rheumatoid arthritis
関節リウマチ(RA)は自己免疫性炎症疾患であり、RAの病理発生にはB細胞が密接に関与していることが示されている。RA治療は近年大幅に進歩してきたが、それでも治療効果が得られない患者がいる。こうした多剤抵抗性RAに対して、T細胞の活性化によりB細胞を傷害する二重特異性T細胞誘導(BiTE)が有望と考えられる。本研究では、多剤抵抗性RA患者6例に対して、CD19とCD3の両方を標的とするBiTEであるブリナツモマブにより治療を行った。
2024.06.26
A041202試験の追跡調査は、高齢の慢性リンパ性白血病(CLL)患者におけるイブルチニブレジメンの持続的な有効性を示している
Follow-up from the A041202 study shows continued efficacy of ibrutinib regimens for older adults with CLL
A041202試験(NCT01886872)は、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)高齢患者を対象に、ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法(BR)を、イブルチニブ単独療法およびイブルチニブ+リツキシマブ併用療法(IR)と比較する第3相試験である。本試験の当初の結果で、イブルチニブを含むレジメンにおいて優れた無増悪生存(PFS)が示され、また、リツキシマブの追加による上乗せ効果は認められなかった。
2024.06.26
IgG4関連疾患の臨床表現型の予測因子及び免疫応答の決定因子としての性差の違いの検討:米国リウマチ学会‐欧州リウマチ学会分類基準患者を対象とした後ろ向き研究による
Sex as a predictor of clinical phenotype and determinant of immune response in IgG4-related disease: a retrospective study of patients fulfilling the American College of Rheumatology–European League Against Rheumatism classification criteria
IgG4関連疾患は、多臓器の線維炎症性自己免疫疾患と考えられている。これまでの研究から性差により表現型の違いがあることが示されている。本研究は、単一施設における後ろ向きコホートによりIgG4関連疾患の患者の性差による病態と症状の違いを検討することを目的として行った。
2024.06.26
REM睡眠行動障害を合併したパーキンソン病患者におけるグルタミン酸シグナル伝達
Glutamate Signaling in Patients With Parkinson Disease With REM Sleep Behavior Disorder
REM睡眠行動障害(RBD)を合併したパーキンソン病(PD)はさらに悪性の表現型であり、運動症状の進行が速く、非運動症状による負担が大きい。しかし、神経伝達系の不均衡に関するこのような臨床的相違の根底にある神経機構については依然として分かっていない。磁気共鳴(MR)スペクトロスコピーと[11C]ABP688 PETをPET/MRハイブリッドシステムで組み合わせて、PD患者における2つの異なるグルタミン酸シグナル伝達の機序を同時に検討した。