
「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2026.06.26NEW
SCN1Aの機能獲得型バリアントに関連する誘発性かつ反復性の日常的な視覚消失とナトリウムチャネル遮断薬への反応性
Elicited Repetitive Daily Blindness Associated With Gain-of-Function SCN1A Variants and Responsiveness to Sodium Channel Blockers
誘発性かつ反復性の日常的な視覚消失(ERDB)は、可逆性の視覚消失発作が毎日繰り返される衰弱性の病態である。ERDBは、SCN1Aの病原性バリアントによって生じる家族性片麻痺性片頭痛3型(FHM3)の患者で報告されている。これまでに、2家系(家系1 - 2)でFHM3とERDBの共分離が報告されており、SCN1Aバリアントc.4467G>C/p.(Q1489H)およびc.4495T>C/p.(F1499L)との関連が認められている。我々は、3つの新規SCN1Aバリアントに起因するFHM3とERDBの共分離を示す新たな家系を4つ報告する。
2026.06.26NEW
CD5Lはアルツハイマー病マウスモデルにおいてファゴサイトーシスを介したアミロイドβオリゴマー除去を促進し認知機能を改善する
CD5L promotes phagocytic removal of amyloid β oligomers and improves cognitive function in a mouse model of Alzheimer's disease
神経変性疾患であるアルツハイマー病(AD:Alzheimer's disease)は認知症の最大の原因であり、アミロイドβ(Aβ:amyloid-beta)とタウがADの発症と進行に主に関与している。われわれは今回、マクロファージが特異的に産生する分泌型タンパク質であるCD5Lの、Aβ蓄積の減少およびAD病理の改善を目的とした治療可能性を調べた。
2026.06.26NEW
小児炎症性腸疾患の症例対照研究による血清プロテオミクス研究:潰瘍性大腸炎とクローン病を識別するバイオマーカーの探索
Serum proteomics in paediatric inflammatory bowel disease from a case–control study: biomarker discovery and ulcerative colitis–Crohn’s disease differentiation
炎症性腸疾患(IBD)の診断及び潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の識別は臨床的および病理学的な検査によりなされている。本研究では、血清プロテオミクスにより得られたタンパク質バイオマーカーをもとにIBDの診断、及びCDとUCの識別の可能性を検討した。
| 総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
|---|---|
| 監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学名誉教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
| 主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
| 編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2025.02.28
切除不能膵臓癌において、多機能型Wilms’ tumor 1(WT1)ペプチドをパルスした樹状細胞ワクチンと多剤化学療法の併用療法は腫瘍微小環境を修飾しコンバージョン手術を可能にする
Dendritic cells pulsed with multifunctional Wilms’ tumor 1 (WT1) peptides combined with multiagent chemotherapy modulate the tumor microenvironment and enable conversion surgery in pancreatic cancer
本研究の目的は、新規Wilms’ tumor 1(WT1)ペプチドをパルスした樹状細胞(dendritic cell)ワクチン(WT1-DCワクチン)と多剤化学療法を併用する化学免疫療法レジメンを開発し、そして、切除不能進行期膵管線癌(unresectable advanced pancreatic ductal adenocarcinoma: UR-PDAC)患者を対象にその安全性、臨床転帰、およびWT1特異的免疫応答を検討することである。
2025.01.30
認知障害、疲労、気分障害を有する多発性硬化症患者における萎縮のパターン
Atrophy Patterns in Patients With Multiple Sclerosis With Cognitive Impairment, Fatigue, and Mood Disorders
多発性硬化症(MS)によくみられる認知障害、疲労、不安、うつと萎縮のパターンを特定することを目的とした。McDonald基準2017を満たす再発寛解型MS患者と、同じような年齢、性別、学歴の健康な対照者(HC)を組み入れた横断的コホート研究を実施した。
2025.01.30
2019年の0 - 14歳の小児の結核性髄膜炎の世界的負担の推計
Global burden of tuberculous meningitis in children aged 0 - 14 years in 2019: a mathematical modelling study
結核性髄膜炎は、治療しなければ致死率が高く、生存したとして神経学的後遺症を残す可能性が高い疾患であるが、小児の罹患者が世界に何人いるのかのデータはない。そこで、2019年時点の小児の結核性髄膜炎の世界の疾患負担および同疾患の死亡率を、WHOの地域別、年齢群別、治療状態、およびHIV感染状況別に、文献データのメタアナリシスによる数値をもとにベイズ数学モデルを用いて推定した。
2025.01.30
ヒトにおける複数のワクチンに対する抗体反応持続の予測因子および機序についてのシステムワクチン学解析
System vaccinology analysis of predictors and mechanisms of antibody response durability to multiple vaccines in humans
本研究では、抗体反応の大きさと持続性に影響を及ぼす因子を同定する目的でシステムワクチン学的解析を行い、AS03アジュバントがある場合とない場合とでヒトにおけるH5N1型インフルエンザワクチンに対する免疫反応について検討した。
2024.12.25
筋ジストロフィー患者および筋強直性ジストロフィー患者におけるがんリスク 登録に基づくコホート研究
Cancer Risk in Patients With Muscular Dystrophy and Myotonic Dystrophy A Register-Based Cohort Study
スウェーデンの全国登録のデータを用いて、筋ジストロフィー患者および筋強直性ジストロフィー患者のがん全体のリスクと、がんリスクの範囲を明らかにすることを目的とした。1950 - 2017年にスウェーデンで出生した筋ジストロフィーまたは筋強直性ジストロフィーの患者全例と、性、出生年、出生県でマッチさせた対照者(患者1例につき50例)を対象に、マッチングコホート研究を行った。
2024.12.25
特発性脳内出血患者に対する手術後のアセチルサリチル酸の早期投与と晩期投与の安全性および有効性の比較(E-start試験):中国における多施設共同前向き非盲検エンドポイント盲検化無作為化試験
Safety and efficacy of early versus delayed acetylsalicylic acid after surgery for spontaneous intracerebral haemorrhage in China (E-start): a prospective, multicentre, open-label, blinded-endpoint, randomised trial
非外傷性脳内出血患者は術後に重大で有害な心血管、脳血管、および末梢血管イベントのリスクが高く、それが致死症となる場合がある。特発性脳内出血患者に対して術後の虚血イベントを予防することに抗血小板薬療法が効果的であるが、術後の最適投与時期が明らかにされていない。本研究は特発性脳内出血の手術後に、抗血小板薬であるアセチルサリチル酸を早期開始する場合と晩期開始する場合の安全性および有効性を比較するために行った。
2024.12.25
母になることへの希望:同種造血幹細胞移植後の妊娠(全国多施設共同研究)
Hope for motherhood: pregnancy after allogeneic hematopoietic cell transplantation (a national multicenter study)
同種造血幹細胞移植(alloHCT)後の長期生存率の改善により、若年成人のがんサバイバーにとっての家族計画が重要なテーマとなっている。しかしながら、この治療に関連する不妊リスクは、alloHCT治療を受けた女性に難題をもたらす。本研究では、現代コホートにおける妊娠率および出生率を評価するため、2003 - 2018年にalloHCTを受けた18 - 40歳の成人女性を対象として、German Transplant Registryのデータを用いて全国多施設共同研究を実施した。
2024.11.26
前頭側頭葉変性症における脳体積および認知機能に対するTMEM106Bの遺伝子特異的な影響
Gene-Specific Effects on Brain Volume and Cognition of TMEM106B in Frontotemporal Lobar Degeneration
TMEM106B(Transmembrane protein 106B)は、特にGRN病原性変異キャリアにおけるFTLD-TDPの疾患リスクの修飾因子として提唱されてきた。本研究の目的は、一般的な遺伝性FTD群それぞれおよび孤発性FTD患者において、TMEM106Bが灰白質体積および認知機能に及ぼす影響を評価し比較することである。
2024.11.26
mRNAワクチン接種後SARS-CoV-2特異的形質細胞は骨髄中の長寿命形質細胞分画で持続的に検出されない
SARS-CoV-2-specific plasma cells are not durably established in the bone marrow long-lived compartment after mRNA vaccination
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対するmRNAワクチンは、重症疾患に至るのを防ぐ上で効果的であるが、SARS-CoV-2特異的形質細胞が骨髄に認められたとしても、防護作用を有する抗体は急速に減弱する。本研究では、この逆説的な現象を探究するため、SARS-CoV-2 mRNAワクチンの接種後2.5 - 33ヵ月の健康成人19例を登録し、骨髄中の長寿命形質細胞(LLPC)および非LLPCにおいて、インフルエンザ、破傷風、またはSARS-CoV-2に特異的な抗体分泌細胞(ASC)を測定した。
2024.11.26
大うつ病性障害者における白質微小構造と認知機能低下との関連性:ドイツにおける前向き症例対照コホート研究から
Associations between white matter microstructure and cognitive decline in major depressive disorder versus controls in Germany: a prospective case-control cohort study
大うつ病性障害(MDD)者の主要障害として認知障害がある。MDDが進行すると認知障害が悪化し、これには白質微小構造の変化との関係があると考えられている。そこで、MDD者を対象に白質の変化と認知障害との間に関連があるのか、またMDDの進行との関連があるのか、について前向き追跡調査により検討を行った。