
「難病Update」は、難病に関する最新情報を、ジャーナルを限定することなく、速報として現場の医療関係者の方に届けます。難病治療・研究に携わる医師・医療従事者の方々が対象です。内容は、基礎、疫学、臨床の分野別に、各編集委員の興味あるジャーナルから合計毎月3本程度選択をいただき、日本語に原稿を編集し、監修によるコメントも掲載します(任意)。掲載する項目は、日本語英語タイトル、著者、出典、日本語サマリー、原著リンク、キーワード、監修コメント、監修者名です。毎月1日を更新日とし、皆様に提供いたします。難病研究の支援になれば幸いです。
2026.08.27NEW
米国退役軍人における軍種および階級と筋萎縮性側索硬化症の発症率との関連
Association of Military Branch and Rank With Amyotrophic Lateral Sclerosis Incidence Among United States Veterans
軍務は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症に関して、とくに一貫して認められている危険因子の1つであるが、軍務のどの側面が関係しているかについては、ほとんど明らかにされていない。軍人におけるALS発症リスクの分布を理解することは、重要な危険因子を特定するのに役立つ可能性がある。
2026.08.27NEW
急性疼痛に対するNav1.8阻害剤の第2b相試験
Phase 2b Trial of a Nav1.8 Inhibitor for Acute Pain
末梢神経系に発現している電位依存性ナトリウムチャネルであるNav1.8は、疼痛シグナル伝達に不可欠な役割を担っている。これまでの試験では、Nav1.8阻害剤の術後疼痛の軽減における有効性が示されている。われわれは、腹壁形成術後で中等度~重度の疼痛を有する患者を対象として、選択的Nav1.8阻害剤であるLTG-001を評価する第2b相、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験を実施した。
2026.08.27NEW
多様な祖先をもつ人々におけるパーキンソン病の遺伝学:臨床応用に向けた原因遺伝子の変異およびリスク遺伝子の変異に関する観察的遺伝学研究
Parkinson’s disease genetics across diverse ancestries: an observational genetic study of causal and risk variants with translational implications
パーキンソン病の遺伝学的な構造には祖先による違いが大きいが、これまでの研究のほとんどが欧州系人種に対してのものである。本研究は、多様な祖先の集団におけるパーキンソン病の原因遺伝子変異ならびに臨床的な意義のあるリスク関連遺伝子の変異(例えば、進行中の臨床試験で標的とされている経路に関わる遺伝子変異)の分布を明らかにすることを目的として行った。
| 総監修 | 大阪大学 名誉教授 武田 裕 |
|---|---|
| 監訳・コメント | 大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学寄付講座 招へい教授 坪井昭博先生 大阪大学大学院医学系研究科癌幹細胞制御学寄附講座 寄附講座教授 岡芳弘先生 関西大学名誉教授 高鳥毛敏雄先生 国立病院機構大阪南医療センター 神経内科 狭間敬憲先生 |
| 主催 | 公益財団法人 大阪難病研究財団 |
| 編集・運営 | 株式会社アスカコーポレーション https://www.asca-co.com/ |
2020.10.27
パーキンソン病における無感情と衝動制御障害の併発
Co-occurrence of apathy and impulse control disorders in Parkinson’s disease
無感情と衝動制御障害(impulse control disorder:ICD)が独立に、動機付けスペクトラムの対極にあるものかどうかを実証的に検証する。単施設横断研究で、三次医療センターに通院する特発性パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)患者887例の人口統計学的データと臨床データを後ろ向きに収集した。
2020.10.27
デンマーク人女性における4価ヒトパピローマウイルスワクチン接種と自律神経障害を伴う特定の症候群との関連性:地域ベースのコホート内症例対照分析
Association between quadrivalent human papillomavirus vaccination and selected syndromes with autonomic dysfunction in Danish females: population based, self-controlled, case series analysis
ヒトパピローマウイルスに対する4価ヒトパピローマウイルスワクチン接種は、自律神経障害を伴う特定の症候群(ここでは慢性疲労症候群、複合性局所疼痛症候群、体位性起立性頻脈症候群の3つとしている。以下には自律神経障害症候群と称す)の発生との関連が疑われている。そこで、デンマークの国民を対象とした地域住民のコホートを使い、デンマーク生まれで、2007 - 2016年の10 - 44歳の女性137万5,737人を対象とし、その中で特定された自律神経障害症候群と判定された869例を症例として、コホート内における症例対照分析を行った。分析にあたって、症例群と対照群の年齢及び季節要因を補正した。
2020.10.06
脊髄小脳失調症(SCA)の1、2、3、6型遺伝子変異保有の症状発現時期とその進展に関する検討:RISCAコホートを使った追跡研究
Conversion of individuals at risk for spinocerebellar ataxia types 1, 2, 3, and 6 to manifest ataxia (RISCA): a longitudinal cohort study
脊髄小脳失調症(SCA)は常染色体優性遺伝性の神経変性疾患である。遺伝変異型SCA1、SCA2、SCA3、SCA6により運動失調の発現時期や進展の状況を検討した。対象者は、ヨーロッパ7カ国の14の拠点の専門医療施設の疾患情報を集約したRISCAコホートから選んだ。
2020.10.06
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーにおける2年間の炎症性病変の評価
Evaluation of inflammatory lesions over 2 years in facioscapulohumeral muscular dystrophy
顔面肩甲上腕筋ジストロフィー(facioscapulohumeral muscular dystrophy :FSHD)患者に対し2年間の経時的な検査を行って追跡し、炎症性病変が常に脂肪置換に先行するかどうか、筋肉の変性を伴わずに炎症が消失するかどうか、筋肉の炎症性病変ののちに常に脂肪交換が生じるかどうかを検討した。
2020.10.06
SARS-CoV-2に対する遺伝子組換えスパイクタンパク質ナノ粒子ワクチンの第I/II相試験
Phase 1-2 Trial of a SARS-CoV-2 Recombinant Spike Protein Nanoparticle Vaccine
新型コロナウイルスの表面はスパイクタンパクで覆われているため、このスパイクタンパクを標的としたワクチン開発が精力的に行われている。新型コロナウイルスは重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS)とよく似た構造をしていることからウイルス名はSARS-CoV-2と呼ばれている。今回紹介する論文ではワクチン開発では先頭集団を走っているNovavax社によって開発が進められているSARS-CoV-2の改変全長スパイクタンパクをワクチン製剤に用いた第I/II相試験の結果を報告している。
2020.09.09
システマティックレビューとネットワークメタ解析による関節リウマチに対する生物学的製剤の治療効果の比較
Comparative effectiveness of biological medicines in rheumatoid arthritis: systematic review and network meta-analysis including aggregate results from reanalysed individual patient data
メトトレキサート剤が無効である関節リウマチ患者に、メトトレキサートとどの生物学的製剤を併用するのが有効なのか厳密に行われた治療比較研究がない。そこで、本研究では、2017年までに実施された報告や論文のデータ、及び2017年2月までに蓄積された慢性関節リウマチの主要転帰に関する個別患者のデータベースのデータを集めて再解析するシステマティックレビューとネットワークメタ解析を用いて治療効果の比較を試みた。
2020.09.09
健忘性軽度認知機能障害においてin vivoでのシナプス密度の低下がタウの沈着と関連
In vivo synaptic density loss is related to tau deposition in amnestic mild cognitive impairment
健忘性軽度認知機能障害(amnestic mild cognitive impairment:aMCI)患者において、シナプスの喪失と神経原線維変化の負荷が空間的に重なり、臨床症状と相関するかどうかをin vivoで調査する。この横断的研究では、aMCI患者10例と健常対照者10例が、11C-UCB-J(シナプス小胞蛋白2A)、18F-MK-6240(タウ沈着)、11C-ピッツバーグ化合物B(βアミロイド)を用いたトリプルPET-MRI検査、ならびに神経心理学的評価を受けた。
2020.09.09
縦断的解析から明らかとなった重症COVID-19における免疫学的誤作動
Longitudinal analyses reveal immunological misfiring in severe COVID-19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の転帰と免疫の長期的相関を明らかにするため、中等症または重症のCOVID-19患者113例の免疫応答を解析した。これらの患者では自然免疫系が全般的に増加し、これと並行してT細胞が減少していることが免疫プロファイリングから明らかとなった。疾患初期のサイトカインの増加は転帰不良と関連があった。
2020.08.09
ハンチントン病におけるアレル選択的治療のための一塩基多型の遺伝子型決定
Genotyping single nucleotide polymorphisms for allele-selective therapy in Huntington disease
ハンチントン病(Huntington disease:HD)の原因である、ハンチンチン遺伝子(huntingtin gene:HTT)における病原性のシトシン‐アデニン‐グアニン(cytosine-adenine-guanine:CAG)反復伸長は一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)によりフェージングされるため、SNPがアレル選択的治療の標的となる。前向き観察研究により、rs362307(SNP1)またはrs362331(SNP2)が病原性のCAG伸長を有するアレルと同じアレル上に見出される頻度を明らかにした。
2020.08.09
関節リウマチ疾患を発症していない者における腸内細菌叢とその遺伝的リスク因子との関連性の検討:横断研究
Associations between gut microbiota and genetic risk for rheumatoid arthritis in the absence of disease: a cross-sectional study
関節リウマチは慢性炎症性自己免疫疾患であるが遺伝子の多様な変異との関係も指摘されている。また、腸内細菌叢との関連も指摘されてきている。その点をイギリスの双子研究のTwins UKコホートを使って検討した。